ワイン

自然なワインの定義

2 10月 2017

自然なワインという言葉は商品のカテゴリーとして一般的に使われているだ けで、法的な裏付けがあるものではない。そこで自然なワインとはなんなの かをじっくりと考え、次の6点にまとめてみた。

  • 自然なワインを作るのに適した土地とは、ブドウ栽培, 特に伝統的に栽 培されてきた地場品種にとって好適であることはもちろん、多様な自然 環境に恵まれていること。
  • 畑の土壌は植物と微生物も含めた生物の多様性に恵まれていること。
  • 栽培品種はその土地の文化や歴史、伝統を反映していること。
  • 栽培方法は有機農業*の原理を守っていること。 (現行の EU の有機規定は適切ではない)
  • 収穫されたブドウはワインになるまで余計な手を加えることなく自然に 取り扱われること。アルコール発酵が終わり、その後の熟成過程でも、 添加や加工など自然なプロセスに反するいかなる処理も行われない。 SO2 の添加も同様である。
  • 生産者の規模は、自らがワイン作りに関わるすべての工程に携る事がで き、手作りでワインを作れる範囲を超えないこと。このレベルは生産量 5万本といったところであろう。
ワイン職人

趣味」レベルで数千本程度「手 作りワイン」を作るような生産者の存在は自然なワイン􏰀りを生業とし ている生産者にとって迷惑であり、市場に混乱を生み出す。専門性に欠 けた生産者とそのワインはこの世界へのダメージともなりうる。

消費者の自然なワインへの関心が高まっている中、自然なワインとは何かは っきりと定義するために、そして誠心誠意の取り組みを行っている生産者を 保護するためにも、国や欧州レベルで自然なワインだけに限った明確な法律 ができる事を願っている。 今見られるような言葉と定義の混乱はワイン市場だけではなく真面目な生産 者にも害となるからだ。

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