ワイン

自然なワイン造りの本質

16 11月 2013

ワインは、はるか昔から人類の文化を形作り、ぶどう栽培は今でも農業進化の一翼を担っている。ワイン産地の主役は、何と言ってもぶどう栽培の長い歴史によって築かれた美しい景観だ。この美しさとは、多様な植生が守られ、環境汚染とは無縁の、自然の調和に満ちた状態を指す。人によっては、効率優先の単一栽培のために造成された畑でさえ美しいと映るかもしれないが、自然の調和がないところに「美しさ」は存在しない

 ワイン経済はぶどうが織りなす美と、それを守り続けて来たワイン職人たち、それに加えて彼らが生み出す産地独自の多様なワインによって支えられている。産地それぞれにワイン職人たちが情熱を注いできたワイン造りがあり、そこから独自の個性をもったワインが生まれ、多くの物語を紡いできた。 ぶどう栽培は長い歴史の中で文化となり、飲む人に産地独自の感動の味をもたらして来た。

モザイクのような多様な美しさを誇るイタリアのぶどう畑。その美しあを守る職人たちの努力は、必ずしも正当に評価されてきたとは言い難いが、彼らの世代を超えた知恵と技術が美しい景観という大きな財産を守ってきた。

クモからも自分の暮らす環境を守ることの大切さを学べる。

これそこ計り知れない価値を持った「資産」である。

産地独自の特徴を備えた世界に誇れるワインを生み出す元となり、ワイン経済発展の原動力にもなる。

これからのワインづくりは産地を環境汚染のない健やかで美しい場所に保ち、資源を保全し消費者の健康を守っていくという、先を見据えた目標を追求していくものでなければならない。

グラス一杯のワインを作るのに少なくとも5mlのガソリンを使い、貴重な資源を使い果たしてしまうようなワイン造りもはや続ける事はできない。

農薬の使用量も同じく持続不可能なレベルに達している。

この状況は改善できるであろうが、そのためには様々な分野での研究と、ワインづくりの現状を包み隠すことなく消費者に伝える正しい報道が必要だ。

これによって初めて、なぜ多くの生産者が有機やビオディナミコ農法に切り替え、その数が増え続けているのか、本当の意味が分かるようになるだろう。

自然なワイン」という言葉は、科学技術が大きく進歩した時代に出て来たものだが「ワインとは健康に育った、成熟したぶどうから(加工なしで)生まれる」というごく当たり前のことさえ忘れ去られた時代である事を、改めて認識しなければならないのかもしれない。

 

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