ワイン

自然なワインを作るということ。

2 10月 2017

我々の農業は,行政や生産に必要不可欠で絶対的な鍵となる資源 (遺伝資源、種子、 除草剤、農薬、肥料など) を押さえる産業界に大きく影響され、農業経営者 の望み通りには行かないものとなってしまった。 副作用をも伴う農薬を大量散布し、過剰な単一栽培で疲弊した土地に肥料を 入れてさらに生産性を高めることに余念のない今のブドウ栽培も例外ではな く、関連業界からすれば魅力たっぷりの獲物だ。 もう少し突っ込んで言えば、大量の農薬使用でなんとかぶどうができるよう な、栽培に全く向かない土地でのぶどう作りが認可、奨励さえされていると いうのが現状である。これはイタリアの大部分で見られる状況であり、他の ヨーロッパ諸国でも同じようなことが行われている。 現状が関係業界に莫大な利益をもたらしている今、状況を抜本的に変える事 は不可能だ。長期的視点を持って農園の経済的な重要性とは何なのかを理解 できれば、健やかな環境で自然なぶどうを作り、添加物を加えず加工処理も しない自然なワインを作ろうということになるが、そう簡単なことではな い。自然なワインを作るには高い専門性が求められる。ブドウ栽培が出来る からといっても何処ででも出来るというものでなく、安定生産の保証も全く ない。従って、自然なワインを作るとは限られた人だけに開かれた道であっ て、そこに大きな価値があり、消費者はそれに価値を見出すのだ。

自然なワインの生産者たちは各グループの仲間内で自画自賛している場合で はない。イタリアにはワインの歴史を作ってきた、自然だなどと「自称す る」必要もないワインの生産者たちがいる。彼らは黙して語らず、培ってき た熟練の技を畑と蔵でひたすらつぎ込み、多くの自然なワインの生産者グル ープが定める亜硫酸添加量よりもずっと低い値で素晴らしいワインを生み出 している。

実際、今のブドウ栽培では、安定した品質のワインとなり得るぶどうを作る という最大の義務がおろそかにされている。 熟成を重ねて良くなる、寿命の長いワインを作るためには畑での健全なブド ウ作りが欠かせない。それをおろそかにして、健康に害を及ぼしかねない添 加物で加工してワインを作ろうなど論外だ。

ワインの定義を思い出そうではないか。 EU の定義はこうだ:

“ワインとは破砕または破砕されない生のぶどう、もしくはマスト(ぶどう 果汁)の全てまたは部分的な発酵からのみ作られるもの”

(EU 規定 479/2008)と定められている。

この規定通りにワインが作られるのであれば、逆に多くの加工や処理を連想 させるような「自然なワイン」の定義など必要ないであろう。処理に使われ る添加物が健康に害を及ぼすのであればなおさらである。

ワイン造りで認められている添加物と処理方法の一覧

ヴィニタリーのような、ワイン業界で国際的に認められている機構が Free Wine を創設し亜硫酸含有量が最大 40mg/L までのワインだけを対象にコンテ ストを主催していることは注目に値する。一方で「ナチュラルワイン」を標 榜するイベントでそれよりもずっと高い値の亜硫酸を含むワインが普通に出 されているのはどうしたものか、全く理解に苦しむ。

2016 2/29日発表の最新の数値

ワインの本当の定義が うやむやに変えられてしまう前に、ワインと呼ぶにふさわしい製品を消費者 に届けるのはどれだけ難しく、どれだけ長い道のりが必要かこれでお分かり いただけるだろう。

サレルノ医学校の養生訓で終わりとしよう。

“ mens laeta, requies, moderate diaeta”

心明るく、穏やかに、正しい食生活を続けるべし。

Condividi...

0 commenti

Comments

0 commenti su "自然なワインを作るということ。"

There are no comments yet